こんにちは。まーさんです^^
今日から12月ですが、みなさんあたたかくして過ごしていますか?パニック障害による不調のひとつに「冷え」があるので、手足や首元を温めてくださいね!
今回は「冷え」についての記事ではありません。(※冷えについては別記事で)
今回の記事では、パニック発作の最も強い自覚症状のひとつ”呼吸がうまくできない”ときの対処法についてご紹介します。
呼吸を制するものがパニック発作を制する
あなたの大切な人がパニック発作になったときの様子を思い出してください。
パニック発作が始まる直前から、呼吸の乱れや違和感を訴えるようになって、それから息がしづらくなる、過呼吸のような状態になっていませんか?
私のパートナーもこんな状態に陥ります。
もともと、パニック発作が始まったら1時間くらい発作が続いていたふーさんが、この呼吸法を取り入れてからは、最短で5分~10分程度で会話ができるくらいまで落ち着くようになりました。要は、回復までの時間がすごく短くなったんです。
平常時には無意識にしている呼吸という行為も、パニック発作時には「呼吸の仕方がわからなくなる」くらいに本人がコントロールできなくなります。呼吸の乱れがさらなる症状を引き起こすので、周りの家族や恋人のあなたが呼吸法を知っておくことが大切です。
この「パニック発作時の呼吸方法」については、私とパートナーとで4年の歳月をかけて築き上げた対処法です。
※実はこの呼吸法をマスターすることが、パニック障害を寛解へと持っていくためにとても重要な手法となりますので、ぜひ実践されてください。このブログでは、この呼吸法についてこれからも何度も繰り返しお伝えしていきます。
※余裕ができれば、私とふーさんが実際におこなっている「呼吸法」の動画も配信予定です。
パニック発作時の呼吸法:3つのステップ
家族や恋人、友達があなたの目の前でパニック発作を起こしたら、慌てず焦らず落ち着いて呼吸の誘導してあげてください!
大切なのは次の3ステップ
①呼吸の状態を観察する
②手を握って、脈を測る
③声かけしながら呼吸コントロールする
細かい方法や注意点はこのあとに説明しますが、とにかくこの3つ。
呼吸を制するものがパニック発作を制す。極論かもしれませんが、呼吸法を知っておくとパニック発作のときに必ず役に立ちます。やり方自体はそんなに難しくはないので、ぜひ覚えておいてくださいね!
パニック発作のときは”呼吸が異常な状態”
パニック発作の症状はたくさんあるんですが、その中で一番本人が自覚できるのが「動悸、呼吸の乱れ」です。
とにかく呼吸にまつわる自覚症状がパニック発作の中でも、大きな割合を占めています。
突然襲ってくる速く強い動悸や心臓や胸部の痛みで、呼吸がうまくできずに呼吸が浅くなったり速くなり、呼吸の仕方がわからなくなって、そのせいで「頭がおかしくなりそう」とか、「気を失いそう」とか、「このまま死んでしまう」、という心理状態に本人はなっています。
呼吸コントロールで脳のパニック状態を落ち着かせる
私は経験したことないのであくまでも聞いた話から想像するだけなんですが、ふーさんいわく、パニック発作のときは常に「死」を意識するほどに恐ろしい時間だそうです。
それを少しでも落ち着かせてあげるために、そばにいる家族や恋人が呼吸をコントロールしてあげることがとても大切になります。
※呼吸をコントロールすることで、自律神経を整えたり血中の酸素濃度の調整をしたり、パニック発作を落ち着かせることができます。
繰り返しになりますが、パニック発作の症状はいろいろありますが、息が吸えない、吐けない、息苦しい、過呼吸になりそう、となって、それに気づいて本人は錯乱した状態になっています(完全にパニック状態です)。
パニック発作が起きている間は文字通りに「パニック状態」で、本人は苦しくてどうしようもない。
「僕はいまパニック発作なんだ。だから手足が冷えてるんだ。呼吸がうまくできてないから動悸がするんだ」
なんて余裕は「ゼロ」です。
なので、私は声を大にして言いたい。
”そばにいる人が呼吸をコントロールしてあげることが重要だ”と。
パニック発作で役立つ呼吸法と誘導の仕方
というわけで、当事者がパニック発作で呼吸がうまくできないときに、そばにいる人にやってほしい「声かけ」と、「呼吸の誘導」の方法などをご紹介します。
パートナーいわく、パニック発作が始まるときかろうじて患者本人ができることは「ヤバい・・・」とか「発作がきそう」や「パニックっぽい」「気分が悪くなった」という短い言葉を発することだけだそうです。
(この時点以降、普通の会話や受け答えはほぼ無理になります)
本人が発作のサインを出したときや、パニック発作がきたっぽいと気づいたときに、周囲がやるべきことを順を追って説明しますね。
①呼吸の状態をみる
まずはパートナーは相手の呼吸の状態を見てください。
・呼吸による胸の上下の動きや
・呼吸の速度
・浅さ深さなど
ちなみに、横になった状態が良い人もいるし、じっとしてるとソワソワするので動いていた方がいい人もいるので、それは本人の様子をみて判断してくださいね。
②手を握ってあげる/脈を測る
どちらかの手を優しく握ってあげながら、余裕があれば脈を測ってあげてください。
おそらく、90~130回/分のスピードで脈を打っているはずです
(※正常時の成人の脈拍は一分間に60~80回程度なので、あきらかに脈拍が速くなっているのがわかると思います。)
私も昔は脈を取っていたんですが、最近はすぐにパルスオキシメーター(血中酸素濃度測定器)を指に装着して、脈拍の変化を見ています。あ、パルスオキシメーターは結構役に立つアイテムなので、ぜひみなさん持っておかれるのをおすすめします!(Amazonとかで5,000円前後で購入することができます)
③呼吸を整えてあげるための声掛け
脈拍を80台まで持っていけば、発作がかなり楽になり、会話ができるレベルまで回復するはずです。
息がうまくできずに苦しくなっている状態から、呼吸のやり方を誘導してあげて、ゆっくり「5秒吸って、5秒吐く」でコントロールしてあげましょう。
このとき、安心させてあげる声掛けも大切です!
「大丈夫だよ。」「呼吸ゆっくりできてるよ。」「あと何分かしたらおさまるよ。」「パニック発作では死なないからね」
と声をかけながら、極力落ち着かせてあげましょう。
【注意】質問タイプの声掛けはしない
実際にパニック発作を目の前にしたとき、どうすれば良いのかわからなかったり、相手のして欲しいこと聞いてあげようと思ってしまうと、
「大丈夫??」「きつい??」「どうしてほしい??」
という声掛けをしてしまいますよね。
悪気のない質問なのはわかりますが、苦しんでる真っ只中にこの声掛けはいまいちです。なぜなら、本人には答える余裕がまったくないからです。
(以前わたしはパニック発作真っ最中の彼にのセリフを言って、「きついに決まってるだろ!!」とキレられた経験あり。そりゃそうですよね。100%きついに決まってますよね。愚問でした。)
とにかく、不安を煽るような言葉は言わずに、安心させることに徹すること。ゆっくりさすってあげる。これに徹してくださいね!
”呼吸法で落ち着く”という経験を増やす【暴露療法】
【暴露療法とは】
自分が不安に感じている対象や苦手な状況を、その程度に合わせた段階で、レベルの低いものからあえて経験する。スモールステップを積み重ねながら、徐々に苦手な状況に慣れることで治療をしていく方法。
パニック発作がでたら、恐怖の記憶が頭に残ってトラウマになりやすいです。電車の中、高い建物、飛行機、新幹線、人の多いところ、広場等、、、
そういう「パニック発作を起こした記憶」ばかりが脳に残ると、どんどんと行ける場所が狭まって外出ができなくなったり、ちょっとしたことでも「パニック発作がでるかも」と怖くなり、その不安のドキドキが発作を引き起こすという悪循環が生じてしまいます。そんなときに大切なのが、
「できない」
という記憶を
「できた!」
という記憶で上書きしてあげること。。
パニック発作はきついけど、呼吸で少し楽になった。頑張って電車に乗ったら、呼吸でなんとか耐えられた。
パニック発作を苦しいものという認識で片付けるのではなくて、「苦しい・・・でもなんとか乗り越えた」という経験を増やしていってください。
結局は、暴露療法を繰り返しながら、「呼吸法で乗り越えれた!」(呼吸法以外の方法でももちろん良いです)という成功体験を積み重ねていくことが大切です。
【余談】彼のパニック発作の症状(ほんの一部)
ちなみに、私のパートナーがパニック発作を起こしているときは、身体はだいたいこんな状態になります。
①動悸がすごい(脈拍140/分いくことも)
②手足が冷える(短時間で一気に冷たくなる)
③呼吸がうまくできない(息苦しくなる)
④発汗(シーツがびっしょりになるくらいの大量の汗)
⑤頭がまわらない(喋ることもままならない)
パニック発作が起こっているときにどうして欲しいか、と彼に聞くと
「呼吸をコントロールしてほしい」
と言われました。
人間、呼吸がうまくできないということがどれだけ苦しいか。。。パニック発作のあとの彼は、いつも満身創痍の状態になっています。
パニック障害の当事者の心の声
そもそもパニック発作が起こらないのが一番ですが、突然訪れるのがパニック発作の特徴。せめて、発作が少しでも早くおさまるように、少しでも「死」の恐怖から離れられるように、ぜひ呼吸のコントロールをしてあげてください。
闘病中は自分の苦しさと向き合うだけで精一杯な状態なので、呼吸コントロールをしてあげてる間も、お礼どころか
「うるさい!」
「邪魔!」
など、手で振り払われるかもしれません。ましてや「ありがとう」とか感謝の言葉をもらえるわけでもありません。当然ですよね。一番苦しんでるのは本人なんですもん。
サポート側として学んだことは、
①「せっかく助けてあげたのに」や「してやったのに」精神みたいな安っぽい感情はゴミ箱に捨てること。
②見返りを求めず、相手のことを心から心配して、少しでも楽になるようにサポートすること。
これに徹してくださいね!絶対にあなたのやったことは意味のあることになります。保証します^^
闘病中は苦しすぎて余裕がないけれど、患者本人はサポートしてくれているあなたに対して心から感謝しています。パニック障害になる前のあなたの大切な人のことを思い出してください。優しくて、思いやりがあって、人に気を使いすぎるくらいに気を使うような人だったはずです。
そんな人が、本当に心から周りの人を罵倒するはずないです。そういう行動しか取れない自分に対して、悔しい思いをしているはずです。
だから、周りの人はいつも笑顔で優しく接してあげましょう。ニコニコできない瞬間もあるのはわかるけれど、絶対に悪いことは言わないです。
呼吸法については、今後も違う記事で紹介したり動画で説明したりする予定です。まとまりのない文章になってしまいましたが、ここまで読んでくださってありがとうございました!
パニック障害の人に限らず、健常者にとっても呼吸法はとても大切なものです。笑顔を忘れずに、サポートする側もゆっくり呼吸を心がけて、今日も一日過ごしましょう。